【遠心分離機だけじゃない!沈降機というもう一つの選択肢】BMβ

国内有数のトップメーカーであり、多岐にわたって事業を展開されているS社様より、

「液が製品となり、結晶は不要。しかもスラリーが非常に細かく(10μm以下)通常の遠心分離機では対応が難しい。何か代替手段はないか?」

とのご相談をいただきました。

この課題に対し、弊社では遠心分離機ではなく「遠心沈降機」をご提案。テストや仕様打ち合わせを重ねたうえで、ご注文をいただきました。

新製品であったため、従来との回収率の比較データはありませんが、問題なく製造が進んでいるとお聞きしています。ご好評をいただき、別工場にも追加で納入させていただきました。

遠心沈降スキミング型遠心分離機bdmn

ご提案した化学品製造用 遠心分離機BM

 

【POINT】

➀遠心沈降機とは?

あまり知られていませんが、遠心分離機には大きく分けて「遠心ろ過機」と「遠心沈降機」の2種類があります。

遠心沈降機には主にバスケット式、デカンタ式、試験管式の3タイプがありますが、松本機械ではバスケット式沈降機の製作が可能です。

遠心ろ過機では、主にろ布をろ過材として用いるため、捕集できる固形物のサイズはおおよそ10μmが限界とされています。それよりも細かい粒子を対象とする場合は、孔のない「無孔壁バスケット」を使う遠心沈降機を採用することがあります。

無孔壁バスケットにスラリーを流入し、高速回転させることで、固形物は遠心力により外側へ沈降し、内側には清澄液が溜まります。この清澄液にスキミングパイプを差し込み、遠心力を使って外部へ排出することで、液と微細な結晶を分離します。

②遠心沈降機の課題

ただし、遠心沈降機には以下のような技術的課題も存在します:

  • 清澄液側への結晶混入の可能性
    液と固形物の境界には微細な結晶が浮遊しており、スキミングの際に混入するリスクがあります。喰い込み距離(スキミングパイプの挿入深さ)の精密な調整が必要です。

  • オペレーション確立には実液でのテストが必要
    スキミング装置の自動化には、現場液を用いた検証と経験が欠かせません。

  • 液面のウェービング現象による振動リスク
    バスケットの回転と液面に歪みが生じると、液面が波打つ「ウェービング現象」が発生し、異常振動を引き起こす可能性があります。特に30インチ以上の大型機で発生しやすく、テストでは判断が難しいケースもあります。これは沈降機における最も重要な課題といえます。

③沈降とろ過のハイブリッド活用も

ろ過性の悪い製品を遠心ろ過機で処理している場合、ろ過機にスキミング装置を取り付けて、沈降とろ過のハイブリッド方式で分離を行う方法もあります。

沈降機は決して万能ではありませんが、条件次第では非常に有効な分離手段となります。お困りの際はぜひ一度ご相談ください。

 納入企業様

化学品メーカーのS社様

 

納入遠心分離機

bdmn-01 BM


 

機種別、業種別納入事例まとめ


 

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